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3Dソフトによる被写界深度シミュレーション・・・望遠レンズを使うときは被写界深度にご注意を

野鳥を撮る場合、焦点距離の長い望遠レンズを使っての撮影となります。このとき理解しておかないといけないのが「被写界深度」のこと。

焦点距離の長いレンズを使うと被写界深度が浅くなりなります。そのため、ピント合わせをよりシビアに考えないボヤッとした写真を連発することになってしまいます。

細かい数値を覚えておく必要はありませんが、望遠レンズを使い、被写体までの距離が近い場合は、ピントが合う奥行きが狭いということを意識して撮影をしましょう。

今回の3Dソフトによるシミュレーションは、顔幅50mm、顔奥行き100mm、全長207mmのニワトリのモデルを並べて設定を変えて写していきます。

数値でみる被写界深度の違い

下のグラフで知っていただきたいことは、レンズ焦点距離が長くなればなるほど、被写体までの距離が短いと被写界深度(単位=cm)がとても浅いということです。被写界深度が数cm程度の場合、被写体のどこにピントを合わせるかでピントが合っている写真と見えるか、ボヤッとした写真に見えるかの差が大きくでます。

焦点距離100mm・F5.6
焦点距離200mm・F5.6
焦点距離300mm・F2.8
焦点距離300mm・F5.6
焦点距離600mm・F5.6
焦点距離800mm・F5.6

被写界深度の違いを写真で見る

被写体までの距離5mの場合、焦点距離が長くなると、被写界深度がとても浅くなるのがよくわかります。


焦点距離:300mm
F値:2.8
被写体までの距離:5m
前方被写界深度:約23mm
後方被写界深度:約23mm

焦点距離:300mm
F値:5.6
被写体までの距離:5m
前方被写界深度:約46mm
後方被写界深度:約47mm

焦点距離:300mm
F値:8
被写体までの距離:5m
前方被写界深度:約66mm
後方被写界深度:約68mm

焦点距離:300mm
F値:11
被写体までの距離:5m
前方被写界深度:約90mm
後方被写界深度:約93mm

焦点距離:600mm
F値:5.6
被写体までの距離:5m
前方被写界深度:約12mm
後方被写界深度:約12mm

焦点距離:800mm
F値:5.6
被写体までの距離:5m
前方被写界深度:約7mm
後方被写界深度:約7mm

焦点距離:200mm
F値:5.6
被写体までの距離:5m
前方被写界深度:約102mm
後方被写界深度:約107mm

焦点距離:100mm
F値:5.6
被写体までの距離:5m
前方被写界深度:約387mm
後方被写界深度:約458mm

焦点距離:50mm
F値:5.6
被写体までの距離:5m
前方被写界深度:約1257mm
後方被写界深度:約2530mm

被写体までの距離を10mにして絞り値(F値)を変更した場合です。焦点距離300mm、被写体までの距離10mの場合では、F値をF5.6、F8、F11と変えてもパッと見て大きく差がわかるという感じはありませんでした。


焦点距離:300mm
F値:5.6
被写体までの距離:10m
前方被写界深度:約183mm
後方被写界深度:約190mm

焦点距離:300mm
F値:8
被写体までの距離:10m
前方被写界深度:約260mm
後方被写界深度:約274mm

焦点距離:300mm
F値:11
被写体までの距離:10m
前方被写界深度:約353mm
後方被写界深度:約380mm

被写界深度を深くするためには、ISO感度とシャッタースピードの関係も理解しておくと撮影時にすぐに設定変更が可能

絞り値、シャッタースピードともに、ひとつ飛ばしの数値を設定すると光量が2倍または半分になります。

絞り値、シャッタースピード、ISO感度の関係が理解できていると、絞り値を上げたい場合に、シャッタースピード、ISO感度を調整することで対応が可能になります。

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