絞り・シャッタースピード・ISO感度の関係について

一眼レフカメラが難しいと思ってしまうこと原因は、撮影するときに3つの要素「絞り・シャッタースピード・ISO感度」を決めないといけないこと。もちろん、プログラムオートで撮ってしまえば、3つの要素を自動的に決めてくれるので、写真は撮れるのですが、どんな風に撮りたいかを意識しだすと「絞り・シャッタースピード・ISO感度」の関係を理解しておく必要があります。

絞り・シャッタースピード・ISO感度の関係
絞り
光を通す窓の大きさ
一定の時間で、窓の大きさが2倍になれば2倍の光が通過し、半分になれば通過する光は半分。
シャッタースピード
窓を開けて光を通す時間の長さ
窓の大きさが同じで、窓をあげる時間が2倍になれば、2倍の光が通過し、半分になれば通過する光は半分。
ISO感度
窓から入ってきた光を受け止める力
窓の大きさ、窓を開ける時間が一定で、光の量が変わらなくても、光を受け止める力を2倍にすると、窓の大きさを2倍にしたり、窓を開ける時間を2倍にしたりしたのと同様の効果があります。

 

そして、写真を撮るときの「絞り、シャッタースピード、ISO感度」の関係は、次のように掛け算をする関係になります。

「絞り×シャッタースピード×ISO感度=ちょうどいい光の量の写真」
「窓の大きさ×窓を開ける時間×光を受け止める力=ちょうどいい光の量の写真」

ただ、普通の計算と違って「絞りF5.6/シャッタースピード:1/1500/ISO感度200」だから、「5.6×1/1500×200」というような計算ではありませんので、ご安心を。

 

◆絞り・シャッタースピード・ISO感度の設定値を決める順番

「ちょうどいい光の量の写真」を撮るために、設定が「絞り・シャッタースピード・ISO感度」の3つもあると難しいように感じるもしれませんが、設定を決めていく順番がわかれば、難しくありません。

「ピントの合う深さを意識する」のか「シャッタースピードを意識する」のかで、順番が異なります。

『ピントの合う深さを意識する場合』の手順
ISO感度→絞り値→シャッタースピード

「ISO感度」は、明るい環境であれば、最初に「ISO100」を設定し、次に、「絞り値」を設定します。ピントの合う深さが浅いほうがよければ数値を小さく、深いほうがよければ、数値を大きくします。「絞り値」の最小値は、レンズによって決まっています。「EF70-300mm F4-5.6」というようなレンズがあれば、「焦点距離70mmのときの最小値は、F4、焦点距離300mmのときは、最小値はF5.6」となります。

「ISO感度」「絞り値」を決めたら、最後に「シャッタースピード」を調整していきます。

 

『シャッタースピードを意識する場合』の手順
ISO感度→シャッタースピード→絞り値

ここでも最初に「ISO感度」を設定します。次に、「シャッタースピード」を設定します。水の流れなど動いているものを動いているように撮りたい場合は、シャッタースピードを遅く。動きを止めて撮りたい場合は、シャッタースピードを早く設定します。

「ISO感度」「シャッタースピード」を決めたら、最後に「絞り値」を調整します。

「ISO感度」をなぜ、「100」から始めるのか?

これは、とっても簡単な理由です。使用しているカメラのISOを設定する項目や、取扱説明書を見てもらえればわかりますが、ISO感度の最小値が「ISO100」だからです。下のISO感度の説明は、EOS X5の取扱説明書の仕様です。

「ISO100」で設定後、「絞り値」や「シャッタースピード」を設定。「絞り値」「シャッタースピード」の調整では最適露出が得られない場合は、ISO感度を「ISO200」、「ISO400」と感度を上げていくということになります。

ISO感度

◆マニュアル撮影で「ちょうどいい光の写真」にするためには、どうすればいいのか?

太陽が出ていて明るい場所なら、とりあえず「ISO感度」は、「100」。「絞り値」は、「F5.6」を設定します。このとき、シャッタースピードは、この段階では気にせずにカメラのファインダーをのぞいてください。

「シャッタースピード」「絞り値」「露出レベル」「ISO感度」

「シャッタースピード」「絞り値」「露出レベル」「ISO感度」などの表示が見えますが、このとき、確認をするのが、「露出レベル表示」です。露出レベルの中央より左側にレベルがある場合は、シャッタースピードが速い(短い)ため、光の量が少なく、写真が暗く写るということをあらわしています。露出レベルを中央にするためには、シャッタースピードを遅く(長く)します。

逆に露出レベルが中央より右側にある場合は、シャッタースピードが遅い(長い)ため、光の量が多くなってしまい、写真が明るく写りますので、露出レベルを中央にするために、シャッタースピードを速く(短く)します。

露出レベル表示
露出アンダー

光の量が少ないため、写真が暗く写ってしまいます。
アンダー過ぎる場合は、レベル表示が左向き三角マークになっています。

露出レベル表示
露出アンダー

光の量が少ないため、写真が暗く写ってしまいます。「-2」の下にレベルがある場合は、2段アンダー。「-1」の場合は、適正光量の1/2倍の量しか光がない。「-2」の場合は、適正光量の1/4倍の量の光しかないということを示しています。

露出レベル表示
適正露出

ちょうどいい光の量です。
カメラのAvモード、Tvモード、オートモードなどは、自動的に露出レベル表示のレベルが中央になるようになっています。

露出レベル表示
露出オーバー

光の量が多いため、写真が明るく写ってしまいます。「+2」の下にレベルがある場合は、2段オーバー。
「+1」の場合は、適正光量の2倍の量の光がある。「+2」の場合は、適正光量の4倍の量の光があるということを示しています。

露出レベル表示
露出オーバー

光の量が多いため、写真が明るく写ってしまいます。
オーバー過ぎる場合は、レベル表示が右向き三角マークになっています。

※カメラメーカーによって、レベル表示のマークの出方が異なる場合があります。

 

◆露出レベル表示を見ながら、このように調整します。

マニュアル撮影:絞り値を優先させる場合

ISO感度:100、絞り値F5.6、シャッタースピード:1500で、露出レベル表示が2段アンダーの場合

露出アンダー

「シャッタースピード:1500」で2段アンダーの場合は、「1500→1000→750→500→350」というふうに4つスピードを変化させます。

シャッタースピード(1/2段ステップ)
[1つ飛ばしの数値が1段変化となります。]
4000 750 125
3000 500 90
2000 350 60
1500 250 45
1000 180 ・・・

※このシャッタースピード表は、覚えておく必要はありません。露出レベル表示のレベルが中央にくるまで、シャッタースピードを調整すればいいだけなので。

露出アンダー
1段ステップ変化させて
適正露出
さらにもう1段ステップ変化
「露出補正」の設定は、1/2段ステップがお勧め

カメラの「露出設定」のオプション設定を確認すると、「1/3段ステップ」、「1/2段ステップ」のどちらかを設定可能です。
これは、光の量を2倍にする、半分にする場合の間隔を2等分しているか、3等分しているかの違いです。

ISO感度
露出補正変更ステップ

作品づくりをしている人は、1/2段ステップと1/3段ステップの違いにこだわって写真を撮っていると思いますが、私の場合はそこまで気にしていないので、1/2段ステップで設定をしています。

単純に光の量を2倍、半分にするときに、電子ダイヤルを2回カチッとすれば、光の量が倍変わるというのが感覚的にわかりやすいからです。

露出補正変更ステップ
EOS Kiss X5 シャッタースピード変更

 

マニュアル撮影:シャッタースピードを優先させる場合

ISO感度:800、シャッタースピード:125、絞り値:F11で、露出レベル表示が2段アンダーの場合

露出アンダー

「絞り値:F11」で2段アンダーの場合は、「11→9.5→8→6.7→5.6」と4つ絞りを変化させます。

露出アンダー
1段ステップ変化させて
適正露出
さらにもう1段ステップ変化
絞り値(1/2段ステップ)
[1つ飛ばしの数値が1段変化となります。]
1.8 4.5 13
2 5.6 16
2.5 6.7 19
2.8 8 22
3.5 9.5 27
4 11 32

※この絞り値の表は、覚えておく必要はありません。露出レベル表示のレベルが中央にくるまで、絞り値を調整すればいいだけなので。

EOS Kiss X5 絞り値設定

 

◆「絞り×シャッタースピード×ISO感度=ちょうどいい光の量の写真」が掛け算な理由

「ちょうどいい光の量の写真」を撮るために掛け算が必要といっても、2倍にするとか1/2倍にするとかそれだけなので難しくはありませんのでご安心を。写真を撮る際に、条件によって下記のようなことを考えて撮影をしていきます。
※使用するレンズは、「EF24-105mm F4」と仮定。

ある景色を撮影しようとしたときに、下記条件が適正露出レベルとなった場合。

絞り値 シャッタースピード ISO感度
適正露出 F5.6 1/90 100
適正露出のときの設定の光量を1として考え
掛け算して答えを1にする
1 1 1

「シャッタースピード」が「1/90」では、手ブレが心配なので、失敗をしないようにシャッタースピードを「1/180」にしたい。
この場合は、「シャッタースピード」が2倍速くなると、光量が半分になってしまうため、絞り値または、ISO感度を変化させて光量を適正露出にします。

ISO感度で光量を調整した場合 絞り値 シャッタースピード ISO感度
適正露出 F5.6 1/180 200
適正露出のときの設定の光量を1として考え
掛け算して答えを1にする
1 1/2 2
絞り値で光量を調整した場合 絞り値 シャッタースピード ISO感度
適正露出 F4 1/180 100
適正露出のときの設定の光量を1として考え
掛け算して答えを1にする
2 1/2 1

今回の仮条件では、使用レンズの絞り値の開放側(窓を大きく開ける)が「F4」のため、「F5.6→F4」という選択肢もありますが、使用するレンズの開放値が「F5.6」だった場合は、「シャッタースピード」を「1/180」にするためには、「ISO感度」を2倍にするという選択肢しかありません。

また、使用レンズで「絞り値」を「F5.6→F4.0」にできたとしても、「絞り値」を小さくするとピントが合う奥行きが浅くなってしまうため、ピントが合う奥行きを変えたくない場合も、適正露出の光量にするためには、ISO感度をあげるしか選択肢がありません。

この適正露出を保つための掛け算が理解できると下記のような設定値も全て同じ光量となります。

手振れ防止でシャッタースピードを上げ、ピントが合う奥行きを深くするため絞り値を変更
絞り値 シャッタースピード ISO感度
適正露出 F8 1/180 400
適正露出のときの設定の光量を1として考え
掛け算して答えを1にする
1/2 1/2 4

適正露出の設定値から、「シャッタースピード」「絞り値」を変更すると、ISO感度が2倍、4倍になっていく、またはその逆だったりすると計算がややこしいように思うかもしれませんが、「シャッタースピード」を変えて、「ISO感度」を変える、そして「絞り値」を変えて、「ISO感度」を変えるという計算にすれば、基本的に2倍にする、1/2倍にするという計算しかしなくてもいいので、掛け算の計算は難しくはありません。

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